2025年9月13日土曜日

第9回 外国人雇用Q&A 在留資格、労働条件、文化の違い

 

こんにちは。有限会社金城企画 代表取締役の荒瀧です。当社はまもなく創業50周年を迎えます。これまで多くの企業様とともに、リスクマネジメントの現場を支えてまいりました。

さて、飲食業界は慢性的な人手不足に直面しており、その解決策として外国人材の雇用を検討する経営者の方が増えています。しかし、「在留資格がよくわからない」「労働条件は日本人と同じでいいの?」「文化の違いでトラブルにならないか?」といった不安や疑問を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、外国人雇用に関するよくある疑問について、Q&A形式でわかりやすく解説します。


Q1:外国人材を雇うには、どんな在留資格が必要ですか?

A:就労が認められている在留資格が必要です。

外国人を雇用する際に最も重要なのが「在留資格」です。これは、日本でどのような活動ができるかを定めたもので、種類によって就労の可否や職種が細かく定められています。

飲食店で働く外国人によく見られる在留資格には、以下のようなものがあります。

  • 特定技能1号:人手不足が深刻な特定産業分野で働くために設けられた在留資格で、外食業も含まれます。一定の技能試験に合格した即戦力人材です。

  • 身分系在留資格(永住者、日本人の配偶者など):日本人と同じように働くことができます。

  • 特定活動(ワーキングホリデーなど):特定の活動を目的としていますが、旅費を補うために働くことが許可されています。

採用時には、必ず在留カードを提示してもらい、「就労制限の有無」の欄を確認しましょう。また、在留期間が有効であるかどうかも忘れずにチェックしてください。


Q2:外国人従業員の労働条件は、日本人と同じで大丈夫?

A:はい、日本の労働基準法が適用されます。

外国人従業員も、労働時間、賃金、休日など、日本人従業員とまったく同じように日本の労働基準法が適用されます。最低賃金や残業代の支払いも当然必要です。

また、雇用契約書は、本人が内容をしっかり理解できるよう、母国語や簡単な日本語で作成することが望ましいでしょう。不明な点は、丁寧に説明して疑問を解消することが、信頼関係を築く第一歩となります。


Q3:文化や習慣の違いでトラブルにならないか心配です。

A:お互いの文化を尊重し、円滑なコミュニケーションを心がけましょう。

宗教上の理由で特定の食材が食べられない、挨拶や休憩時間の習慣が違うなど、文化の違いによる戸惑いは起こり得ます。

大切なのは、採用時に「お店のルール」や「日本の働き方」を丁寧に説明すること。そして、日頃から「何か困っていることはない?」と声をかけ、相談しやすい雰囲気を作ることです。外国人材の多様な視点は、お店に新しい風を吹き込んでくれるはずです。


外国人雇用は、リスクマネジメントの視点が不可欠です。

外国人雇用は、人手不足を解消する大きなチャンスですが、同時に在留資格の確認不足や文化の違いによるコミュニケーション不和など、様々なリスクも潜んでいます。

「外国人雇用に関するリスクをどう洗い出せばいいかわからない」とお悩みの経営者の方は、ぜひご相談ください。貴社のお店に潜むリスクを可視化する**「リスクマップ」**の作成から、具体的な対策まで、専門的な視点でお手伝いさせていただきます。


次回予告

次回、第10回のテーマは「有給休暇、産休育休、社会保険の基礎知識 法改正への対応」です。


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