2026年2月7日土曜日

第17回:HACCP義務化、その先の衛生管理徹底術 【2026年2月緊急改訂版】~「記録」を「経営の盾」に変えるために~

 はじめに:HACCPは「チェック」ではなく「防衛線」である

HACCPの完全義務化から数年が経過し、多くの現場で「チェックリストへの記入」は日常化しました。しかし、今月(2026年2月)に能登・富山・滋賀で相次いで発生した深刻なノロウイルス食中毒事件は、私たちに重い課題を突きつけています。

滋賀の事例では検食を行っていたにもかかわらず、死者2名、83名の発症という最悪の事態を防げませんでした。また、能登のすし店や、30年無事故だった富山の産婦人科でも食中毒が発生しています。

今、私たちが取り組むべきは「HACCPの形式的運用」ではなく、「経営を潰さないための実戦的衛生管理」です。


1. 【事例分析】なぜHACCP導入施設で事故が起きるのか?

今回の3事例から、HACCPの運用において「形骸化しやすいポイント」が見えてきました。

  • 「加熱後」の盲点(滋賀・能登の事例):いなり寿司や寿司ネタは、加熱・調理した後に「人の手」が直接触れます。HACCPで中心温度を記録していても、その後の「盛り付け・成形」という最終工程での二次汚染には、温度記録以上の厳格なルールが必要です。

  • 「非加熱食材」の殺菌工程(富山の事例): サラダのような無加熱食材は、殺菌剤の濃度管理や浸漬時間がわずかに不足しただけでリスクが残ります。「いつものように洗う」という曖昧さが、30年の信頼を崩す原因となります。

  • 「不顕性感染」という見えない敵: スタッフに自覚症状がなくても、ウイルスは厨房に入り込みます。HACCPの「健康チェック表」が、適当な「〇(マル)」の羅列になっていないでしょうか?


2. 「その先」の衛生管理:3つの実戦的アップグレード

事故を防ぐため、今のHACCPプランに以下の視点を加えてください。

① 「盛り付け」を最重要管理点(CCP)と再定義する

加熱工程がない、あるいは加熱後に出すメニューにおいて、盛り付け担当者の手指衛生は「中心温度」と同等の重要度を持ちます。

  • 実戦策: 盛り付け直前の「使い捨て手袋の交換」と、交換後の「消毒液の使用」を必須工程とし、それを相互に確認する文化を作ること。

② 「記録」を自社を守る「証拠」へ昇華させる

滋賀の事例のように大規模な事故になった際、経営者が問われるのは「やるべきことをやっていたか(善管注意義務)」です。

  • 実戦策: 単なるチェックだけでなく、調理器具(まな板・包丁)の殺菌時刻や、殺菌剤の濃度測定結果を記録に残してください。万が一の際、これが「自社の無過失」を証明する唯一の武器になります。

③ セントラルキッチンの「一括停止リスク」を分散する

滋賀の事例では1箇所の調理場が止まったことで、5つの施設への供給が断絶しました。

  • 実戦策: 複数店舗展開されている方は、特定の工程を分散させる、または代替の仕入れルートを事前に確保する「BCP(事業継続計画)」の視点をHACCPに組み込んでください。


飲食店リスクマネジメント・ラボからの提言

HACCPは、保健所のためにやるものではありません。「お客様の命」と「貴店の暖簾」を守るための設計図です。

今回の滋賀の事例のように、死者が発生する事態となれば、法的賠償額は数千万円から一億円を超える可能性があります。HACCPの運用レベルを一段階引き上げることは、そのまま経営の最大のリスクヘッジとなります。

「自社のHACCPプランが、今のノロウイルス流行に対応できているか不安だ」という方は、ぜひ当ラボの専門スタッフまでご相談ください。石川県内での発生事例を熟知したプロが、現場の再診断を実施いたします。

【リスクマネジメントの基礎を学ぶ】 今回は最新事例に基づいた「実戦的対策」を解説しましたが、HACCPの法的な位置づけや管理計画の作り方など、「基本の考え方」については、[第17回:HACCP義務化、その先の衛生管理徹底術(基礎編)]で詳しく解説しています。 「守り」を固めるために、今一度基本に立ち返ってみてください。

【緊急寄稿】石川・富山・滋賀で食中毒が連鎖。死者2名の衝撃を「他店のこと」で終わらせないために

2026年2月、私たちの地元・石川県能登町、そして富山、滋賀で、極めて深刻なノロウイルス食中毒が相次いで発生しました。

特に滋賀の事例では、83名が発症し、2名の方が亡くなるという、極めて痛ましい事態となっています。

これらの事故は、決して「運が悪かった」で済まされるものではありません。当ブログでこれまで発信してきた「経営を揺るがすリスク」が、今、現実となって牙を剥いているのです。

こんにちは。有限会社金城企画の荒瀧です。

今回は予定を変更し、相次ぐ事例を振り返りながら、当ラボが提唱してきたカリキュラムに沿って、皆様が今すぐ打つべき「防衛策」を再点検します。


1. 発生事例の概要:なぜ「30年無事故」の現場で起きたのか?

今回の事例に共通するのは、「これまで大丈夫だったから」という経験則が通用しなかった点です。

発生場所原因食材(疑い)被害・状況
石川:能登町の人気すし店サーモン、カニ等9名発症。今年度県内7件目
富山:産婦人科クリニックサラダ(生野菜)30年間無事故の施設で発生
滋賀:介護施設(5施設)いなり寿司、和え物83名発症・2名死亡の重大事故

特に注目すべきは、富山の事例です。30年間、プロとして現場を守ってきた場所でも「死角」は訪れます。滋賀の事例では、加熱後に人の手が触れる「いなり寿司」が原因と見られており、「工程のわずかな隙」が命取りになることを示しています。


2. 今こそ読み直すべき「経営の防波堤」バックナンバー

今回の事故を受けて、特に経営者の皆様に再読していただきたい記事を厳選しました。

① 「慣れ」と「過信」という最大のリスク

「うちは大丈夫」という思い込みが、安全装置を外してしまいます。

② 非加熱食材と「二次汚染」の恐怖

滋賀の事例では、加熱後の「詰め作業」での汚染が疑われています。

③ 万が一の「事後対応」は万全か

滋賀のように死者が発生した場合、経営は一気に崖っぷちに立たされます。


3. リスクマネジメントは「成長のための投資」です

今回の食中毒事例は、一つのミスが財務を破壊し(第27回予定:キャッシュフロー管理)、事業継続を困難にする(第31回予定:BCP)ことを冷徹に示しました。

「保険」は事故が起きた後の経済的損失を補填しますが、「リスクマネジメント」は事故そのものを防ぎ、起きた時の傷口を最小限に抑えます。


【重要】今すぐ実行すべき3つのネクストアクション

不安を感じるだけで終わらせず、今日、以下の行動を起こしてください。

  1. 現場の「手洗い・消毒」を店主自ら再確認

    「30年無事故」の過信を捨て、今日から1週間、店主が厨房に立ち、スタッフの手洗い工程を直接チェックしてください。

  2. 緊急連絡先のアップデート

    万が一の際、保健所・保険代理店・弁護士へ即座に連絡できる番号が、現場の全員に見える場所に掲示されていますか?

  3. 無料「リスク体制診断」への申し込み

    滋賀や能登の事例を見て、自店の備えに少しでも不安を感じた方は、当ラボまでご相談ください。全35回のプログラムに基づき、貴店の「安心設計図」をプロの目で緊急診断いたします。


第26回 監視カメラ・防犯システムの活用法 犯罪抑止と証拠保全

 こんにちは。有限会社金城企画 代表取締役の荒瀧です。当社はまもなく創業50周年を迎えます。これまで多くの企業様とともに、リスクマネジメントの現場を支えてまいりました。

さて、これまで本連載ではHACCPやノロウイルス対策、異物混入といった「衛生管理」や「品質管理」のリスクを中心に考えてきました。しかし、飲食店経営において忘れてはならないのが、店舗の資産や従業員、そしてお客様を守るための「物理的なセキュリティ対策」です。

今回は、監視カメラや防犯システムを単なる「防犯」の道具で終わらせないための、具体的な活用法についてお伝えします。

1. 「犯罪抑止」:隙を見せない店作り

防犯カメラの最大のメリットは、犯罪を未然に防ぐ「心理的抑止力」です。 不審者や、万引き・食い逃げなどを企てる人物は、必ずといっていいほど「カメラの有無」を確認します。

  • 入り口やレジ周辺への設置: 「見られている」という意識を植え付けることで、トラブルの芽を摘みます。

  • ステッカーの活用: カメラの設置と併せて「防犯カメラ作動中」の表示を適切に行うことも、コストを抑えつつ高い抑止効果を発揮します。

2. 「証拠保全」:万が一の際に「真実」を守る

どれほど対策をしていても、トラブルをゼロにすることは困難です。食い逃げ、レジ金不正、あるいはお客様同士のトラブルが発生した際、防犯カメラは「客観的な証拠」となります。

  • 映像の鮮明さ: 最近のネットワークカメラは高画質化が進んでいます。犯人の顔や手元の動きがはっきり映る機種を選ぶことが、警察への証拠提出時に大きな差となります。

  • クラウド保存の検討: 録画機本体を盗まれたり破壊されたりするリスクを考え、データをクラウド上に保存する仕組みも有効です。

3. 「飲食店ならでは」の活用法:オペレーション改善

監視カメラは、防犯以外にも経営の武器になります。

  • 混雑状況の把握: リアルタイムで店内の状況を確認し、スタッフの配置を最適化する。

  • 接客の振り返り: トラブルが発生した際のスタッフの対応を検証し、教育の教材として活用する。

このように、カメラを「守り」だけでなく「攻め」のツールとして捉え直すことが、店舗運営の質を向上させます。

あなたの店舗の「死角」を見つけていませんか?

「うちは大丈夫だろう」という思い込みが、最も大きなリスクです。 まずは一度、オーナー様ご自身の目で、店舗の入り口、レジ、バックヤードに「死角」がないかチェックしてみてください。

弊社、有限会社金城企画では、長年の経験に基づき、貴店の特性に合わせた「リスクマップ作成」のお手伝いをさせていただきます。どの場所にどのようなリスクが潜んでいるのか、プロの視点で可視化し、最適な対策をご提案いたします。


【金沢市、野々市市、白山市の飲食店様へ】 食中毒などの衛生リスクも、防犯リスクと同様に初動が命です。 金城企画では、ノロウイルス事故時の「超・緊急行動ガイド」を発行しております。事故後の初動対応から、賠償、休業リスクへの備えまで、地元の皆様を強力にサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

次回予告:第27回 次回は、いよいよ本シリーズの節目となります。「衛生・品質・情報セキュリティリスク対策のまとめ(第17回〜第26回のまとめ)」をお届けします。これまでの学びを総復習し、より強固な店舗経営の土台を作っていきましょう。

2026年1月31日土曜日

第25回 キャッシュレス決済導入のリスクとメリット セキュリティ対策

 こんにちは。有限会社金城企画 代表取締役の荒瀧です。当社はまもなく創業50周年を迎えます。これまで多くの企業様とともに、リスクマネジメントの現場を支えてまいりました。

さて、近年の飲食店経営において「キャッシュレス決済」の導入は、もはや避けて通れない課題となっています。お客様の利便性向上やレジ業務の効率化などメリットが多い一方で、目に見えない「デジタルリスク」が潜んでいることを忘れてはなりません。

今回は、キャッシュレス決済導入におけるリスクとメリット、そして必要なセキュリティ対策についてお伝えします。


キャッシュレス導入のメリットと「新たなリスク」

キャッシュレス化は、現金管理の手間を減らし、レジ締め時間の短縮や現金の紛失・盗難リスクを軽減してくれます。しかし、その裏側には以下のようなリスクが新たに発生します。

  1. 不正利用のリスク 盗難カードや偽造QRコードによる決済など、店舗側が意図せず不正加担の窓口になってしまう危険性があります。

  2. システム障害による機会損失 通信ネットワークのダウンや決済端末の故障により、会計ができなくなる事態です。「現金不可」を謳っている場合、大きなトラブルに発展しかねません。

  3. 情報漏洩のリスク 万が一、店舗のネットワークを通じてお客様の決済情報が流出した場合、ブランドイメージへの打撃は計り知れません。

飲食店が取り組むべきセキュリティ対策

リスクを最小限に抑え、安全に運用するためには、以下の「守り」を固めることが重要です。

  • 端末とネットワークの分離 店舗のフリーWi-Fiと決済用のネットワークを同一にせず、必ず分離して管理しましょう。

  • 物理的な防犯 決済端末に不審な装置(スキミング機器など)が取り付けられていないか、毎日の清掃時にチェックする習慣をつけましょう。

  • スタッフ教育の徹底 「不審な動きをする客への対応」や「二重決済が起きた際のフロー」をマニュアル化し、現場の混乱を防ぐことが最大の防御となります。

リスクの「見える化」から始めましょう

キャッシュレス決済は、導入して終わりではありません。貴店のオペレーションにおいて、どこに脆弱性が潜んでいるのかを把握することが第一歩です。

有限会社金城企画では、貴店の状況に合わせた「リスクマップ作成」のお手伝いをしております。どのリスクを優先的に対策すべきか、プロの視点で整理させていただきます。

また、金沢市、野々市市、白山市の飲食店様向けに、ノロウイルス事故時の「超・緊急行動ガイド」を発行しております。事故後の初動から賠償対応、休業リスク対策まで、金城企画が強力にサポートいたします!キャッシュレス同様、食中毒も「起きてからの対応」が運命を分けます。ぜひ併せてご相談ください。


次回予告(第26回): 「監視カメラ・防犯システムの活用法 犯罪抑止と証拠保全」についてお話しします。キャッシュレス化が進む今だからこそ、物理的なセキュリティの重要性が高まっています。

有限会社金城企画 代表取締役 荒瀧


【ネクストアクションのご提案】 まずは、レジ周りのWi-Fi環境がお客様用と分かれているか、今一度ご確認されることをお勧めいたします。もし不安な点がございましたら、リスクマップ作成を含め、いつでもお声がけください。

2026年1月17日土曜日

第24回 個人情報保護法の再確認 顧客データ・従業員データの適正管理

 こんにちは。有限会社金城企画 代表取締役の荒瀧です。当社はまもなく創業50周年を迎えます。これまで多くの企業様とともに、リスクマネジメントの現場を支えてまいりました。

さて、飲食店経営において「データ」の重要性は年々増しています。予約管理システム、モバイルオーダー、ポイントカード、さらには従業員のマイナンバー管理まで。お店の中には、目に見えない「守るべき資産」が溢れています。

しかし、その管理を「なんとなく」で済ませてはいませんか?今回は、改めて個人情報保護法の重要性と、飲食店が取り組むべき適正管理について再確認していきましょう。


なぜ今、個人情報保護法なのか?

かつては「うちは個人情報を売買しているわけじゃないから大丈夫」という考えもありました。しかし、現在の法律では、ほぼすべての事業者が「個人情報取扱事業者」に該当します。

もし、顧客名簿が流出したり、従業員の履歴書が不適切に破棄されたりすれば、SNSでの炎上、社会的信用の失墜、そして多額の損害賠償に発展する恐れがあります。

飲食店が注意すべき「2つのデータ」

1. 顧客データ(予約・顧客台帳)

  • 取得時の明示: アンケートや予約時に、何のためにその情報を使うのか(DM発送、予約確認など)を明確にしていますか?

  • 安全管理措置: 予約台帳をレジ横に置きっぱなしにする、共有PCのパスワードが「1234」のまま、といった状況は非常に危険です。

2. 従業員データ(履歴書・マイナンバー)

  • 保管のルール: アルバイトスタッフの履歴書が、誰でも見られる棚に入っていませんか?

  • 退職後の処理: 保管期間を過ぎた書類は、シュレッダーにかけるなど適切な廃棄が必要です。


飲食店経営者が今すぐ取り組むべきネクストアクション

「何から手をつければいいかわからない」という皆様、まずは以下の3ステップを確認してください。

  1. 情報の棚卸し: 自店に「どんな個人情報が」「どこに」「どのように」保管されているかリストアップする。

  2. アクセスの制限: その情報を見ることができる人を限定する(店長のみ、担当者のみ等)。

  3. 現場の意識共有: 「お客様の電話番号が載ったメモをゴミ箱にポイ捨てしない」といった、日々の小さな習慣を徹底する。


リスクの「見える化」をお手伝いします

「うちの店のリスク、どこに潜んでいるんだろう?」と不安に感じられたら、ぜひ弊社にご相談ください。金城企画では、創業50年の経験を活かし、貴店専用の**「リスクマップ作成」**のお手伝いをしております。

食中毒や火災のリスクだけでなく、情報漏洩という現代特有のリスクについても、優先順位をつけた対策を一緒に考えてまいりましょう。

【金沢市、野々市市、白山市の飲食店様へ】

ノロウイルス事故が発生した際の「超・緊急行動ガイド」を発行しております。

万が一の事故後の初動から、賠償対応、休業リスク対策まで、金城企画が強力にサポートいたします。まずは備えを万全に。


次回予告

第25回は、「キャッシュレス決済導入のリスクとメリット セキュリティ対策」についてお届けします。利便性と背中合わせのデジタルリスクについて、分かりやすく解説いたします。

今回の内容について、より具体的な対策やリスクマップ作成に興味をお持ちの方は、お気軽に有限会社金城企画までお問い合わせください。


2026年1月11日日曜日

第23回 SNS炎上対策と危機管理広報 誰でも加害者・被害者になる時代

 こんにちは。有限会社金城企画 代表取締役の荒瀧です。当社はまもなく創業50周年を迎えます。これまで多くの企業様とともに、リスクマネジメントの現場を支えてまいりました。

さて、現代の飲食店経営において、避けて通れないのが「SNSとの付き合い方」です。スマートフォンの普及により、誰もが瞬時に情報を発信できるようになった今、SNSは強力な集客ツールであると同時に、一歩間違えればお店の存続を揺るがす「炎上」のリスクを孕んでいます。

今回は、飲食店が直面するSNS炎上の実態と、有事の際の危機管理広報についてお伝えします。


「まさかうちが」では済まされないSNSのリスク

かつて、お店の不祥事やトラブルは、マスメディアが取り上げない限り大きく拡散することはありませんでした。しかし現在は、お客様による投稿だけでなく、従業員の不適切な投稿(いわゆるバイトテロ)によって、一夜にして全国的な「炎上」へと発展します。

飲食店における炎上には、大きく分けて2つの側面があります。

  1. 加害者側になるリスク 従業員が悪ふざけの動画を投稿したり、お客様のプライバシーに触れる内容を発信してしまったりする場合です。企業としての管理責任が厳しく問われます。

  2. 被害者側になるリスク 事実とは異なる誹謗中傷や、過度なクレームが拡散されるケースです。迅速かつ適切な対応を誤ると、火に油を注ぐ結果となり、ブランドイメージが失墜してしまいます。

炎上を防ぐための「攻め」の予防策

炎上は起きてからの対応よりも、「起こさない仕組みづくり」が重要です。

  • SNS利用ルールの策定(ソーシャルメディアポリシー) 「勤務中の投稿禁止」といった表面的なルールだけでなく、「なぜ不適切な投稿がお店や自分の人生を壊すのか」という本質を伝える教育が必要です。

  • リスクマップの作成 自社にどのような炎上リスクが潜んでいるかを可視化しましょう。投稿内容、接客、衛生管理、従業員のプライベート利用など、多角的な視点での棚卸しが不可欠です。

金城企画からのご提案 当社では、貴社の業務実態に合わせた**「リスクマップ作成」**のお手伝いをしております。創業50年の経験から、盲点となりやすいリスクを洗い出し、具体的な対策をアドバイスいたします。

もし炎上してしまったら:危機管理広報の鉄則

万が一、ネット上で批判が集まってしまった場合、以下の3点を意識してください。

  1. 事実確認を最優先する 焦って根拠のない謝罪や反論を出すのは禁物です。「何が起きているのか」を正確に把握しましょう。

  2. 誠実かつ迅速な一次報告 調査中であっても、まずは「認識していること」と「調査に真摯に取り組む姿勢」を公表します。沈黙は「隠蔽」と捉えられるリスクがあります。

  3. 感情的にならない 不当な書き込みであっても、感情的な反論は逆効果です。あくまで企業として冷静かつ丁寧な言葉遣いを徹底してください。


飲食店経営者の皆様へのネクストアクション

SNS対策は「ITの問題」ではなく「リスクマネジメントの問題」です。まずは今日、以下のことから始めてみませんか?

  • 自店の名前をSNSで検索(エゴサーチ)し、現在どのような評判があるか確認する。

  • 従業員に対し、「お店の看板を背負って発信している」という意識を改めて共有する。

また、SNSだけでなく、食中毒などの実害リスクへの備えも忘れてはなりません。

金沢市、野々市市、白山市の飲食店様へ 当社では、ノロウイルス事故時の**「超・緊急行動ガイド」**を発行しております。事故後の初動から賠償対応、休業リスク対策まで、金城企画が強力にサポートします!有事の際にパニックにならないための指針として、ぜひご活用ください。


次回予告

第24回は、「個人情報保護法の再確認 顧客データ・従業員データの適正管理」についてお届けします。 予約システムやLINE公式アカウントなど、デジタル化が進む中で避けて通れない「情報の守り方」について解説いたします。

どうぞ次回もご期待ください。


2026年1月3日土曜日

第22回 情報セキュリティの基本 POSシステム、予約システム、顧客情報の保護

 こんにちは。有限会社金城企画 代表取締役の荒瀧です。当社はまもなく創業50周年を迎えます。これまで多くの企業様とともに、リスクマネジメントの現場を支えてまいりました。

さて、近年の飲食店経営において、ITツールの活用は欠かせないものとなりました。POSレジでの会計管理、WEB予約システムによる集客、そしてリピーター獲得のための顧客データ分析。これらは利便性を高める一方で、目に見えない「情報漏洩」という巨大なリスク**を孕んでいます。

「うちは個人経営だから狙われない」という考えは、今の時代、非常に危険です。今回は、飲食店が守るべき情報セキュリティの基本についてお話しします。


1. なぜ飲食店が狙われるのか?

飲食店は、氏名、電話番号、時にはクレジットカード情報やアレルギー情報といった「生きた個人情報」の宝庫です。

  • POSシステム: 売上データやクレジットカード決済情報

  • 予約システム: お客様の連絡先や来店スケジュール

  • フリーWi-Fi: 店内提供Wi-Fiを介した不正アクセス

もし、これらが外部に流出した場合、謝罪広告の掲載や賠償金の支払いだけでなく、積み上げてきた信頼を一夜にして失うことになります。

2. 今日からできる3つのセキュリティ対策

情報セキュリティと聞くと難しく感じますが、まずは以下の「当たり前」を徹底することから始まります。

  • パスワードの管理を「属人化」させない 「1234」や「店名の電話番号」といった推測されやすいパスワードは厳禁です。また、スタッフの退職時には必ずパスワードを変更する運用をルール化しましょう。

  • OSやアプリを最新の状態に保つ POSレジのタブレットやPCのアップデート通知を放置していませんか?脆弱性(システムの弱点)を放置することは、鍵をかけずに店を出るのと同じです。

  • 物理的な持ち出しを防ぐ 顧客名簿のプリントアウトや、予約管理用のタブレットを店外へ持ち出していませんか?紛失や盗難は、サイバー攻撃以上に発生頻度の高いリスクです。

3. リスクの「見える化」が第一歩

情報漏洩が発生した際、どこにどれだけの責任が生じるのか。それを把握するために有効なのが「リスクマップ」の作成です。

有限会社金城企画では、貴店の現在の運用状況をヒアリングし、どの工程にリスクが潜んでいるかを整理するリスクマップ作成のお手伝いをしております。50年の歴史で培った知見を活かし、経営者様が安心して本業に専念できる環境づくりをサポートいたします。


金沢・野々市・白山市の飲食店様へ

情報リスクもさることながら、食の現場で最も恐ろしいのは食中毒事故です。 当社では、地元密着のサポートとして、ノロウイルス事故時の**「超・緊急行動ガイド」**を発行しております。

万が一の事故発生時、初動を誤るとSNSでの拡散や営業停止など、ダメージが深刻化します。事故後の初動から賠償対応、休業リスク対策まで、金城企画が貴店の盾となり、強力にサポートします!


次回予告

次回、第23回は「SNS炎上対策と危機管理広報 誰でも加害者・被害者になる時代」についてお届けします。 スマートフォンの普及により、一回の投稿が店の存続を左右する時代。従業員教育や有事の際の広報対応について詳しく解説します。

どうぞお楽しみに。


第17回:HACCP義務化、その先の衛生管理徹底術 【2026年2月緊急改訂版】~「記録」を「経営の盾」に変えるために~

  はじめに:HACCPは「チェック」ではなく「防衛線」である HACCPの完全義務化から数年が経過し、多くの現場で「チェックリストへの記入」は日常化しました。しかし、今月(2026年2月)に能登・富山・滋賀で相次いで発生した深刻なノロウイルス食中毒事件は、私たちに重い課題を突き...