こんにちは。有限会社金城企画 代表取締役の荒瀧です。当社はまもなく創業50周年を迎えます。これまで多くの企業様とともに、リスクマネジメントの現場を支えてまいりました。
さて、これまで5回にわたり、飲食店におけるリスクマネジメントの基礎と心構えについてお話ししてきました。第1回から第5回までの連載内容を振り返り、すべての従業員を「リスクマネージャー」にするための重要なポイントをまとめたいと思います。
第6回 飲食店におけるリスクマネジメントの基礎と心構えのまとめ
すべての従業員を「リスクマネージャー」に - 意識共有と役割分担の重要性
これまでの連載で一貫してお伝えしてきたのは、リスクマネジメントは特定の担当者だけが行うものではなく、すべての従業員が当事者意識を持つことが不可欠だということです。
リスクの捉え方(第1回): リスクとは単なる「守り」ではなく、お客様からの信頼獲得や従業員の成長につながる「攻め」の経営戦略であると捉えること。
リスクの「見える化」(第2回): 漠然とした不安を具体的にするため、発生する可能性と影響度で評価するリスクマップを作成し、優先順位をつけること。当社では、このリスクマップ作成のお手伝いをすることも可能です。
リスクへの戦略(第3回): リスクマップで特定したリスクに対し、「回避」「軽減」「転嫁」「受容」の4つの戦略から最適なものを選択すること。
従業員教育と文化づくり(第4回・第5回): 従業員が日常の「ヒヤリハット」を共有する文化を作り、「生きたマニュアル」を全員で育てていくこと。そして、万が一事故が起きた際には、人命の安全確保と、関係者への迅速な情報共有を徹底すること。
これらの要素はすべて、あなたの店舗を強くするための基盤となります。
ネクストアクション:今日から始める3つのステップ
では、この連載を読んでくださった経営者の皆様が、次に行動に移すべきことは何でしょうか。
「全員参加」の意識を改めて共有する まずは、店長や社員だけでなく、アルバイトやパートスタッフも含めた全員に「あなたもリスクマネージャーの一員だ」と伝えましょう。ヒヤリハットを報告した従業員を褒めるなど、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
既存のルールを「なぜ?」という視点で見直す お店にすでに存在する衛生ルールやマニュアルを、従業員と一緒に見直してみましょう。「なぜこの手順が必要なのか?」を問いかけることで、ルールが形骸化するのを防ぎ、一人ひとりの理解を深めることができます。
リスクマップを最新の状態に保つ リスクは常に変化します。新しいメニューの導入、スタッフの入れ替わり、季節の変わり目など、定期的にリスクマップを見直す場を設けましょう。リスクマップが「生きた地図」になることで、店舗の安全を継続的に守ることができます。
次回の第7回からは、新テーマ「飲食店における法的・労務リスク」に移ります。特に多くの経営者が直面する「労働時間・残業代トラブルを防ぐ勤怠管理の徹底」に焦点を当て、具体的な対策と心構えについて解説します。
リスクマネジメントは、企業の成長と従業員の安心を守る上で欠かせない経営戦略です。今後も皆様のお役に立てる情報をお届けしてまいりますので、どうぞご期待ください。
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