2025年7月13日日曜日

第2回 リスクを見える化する「リスクマップ」の作り方

 こんにちは。有限会社金城企画 代表取締役の荒瀧です。当社はまもなく創業50周年を迎えます。これまで多くの企業様とともに、リスクマネジメントの現場を支えてまいりました。

さて、前回はリスクマネジメントを「守り」だけでなく「攻め」の経営戦略として捉えることの重要性についてお話ししました。今回は、その第一歩として不可欠な「リスクの見える化」について掘り下げていきます。


第2回 リスクを見える化する「リスクマップ」の作り方

リスクマネジメントを始めるにあたり、「何から手をつけて良いか分からない」と感じるかもしれません。そうした時に非常に役立つのが、「リスクマップ」です。これは、お店に潜むリスクを一覧化し、優先順位をつけて整理するための強力なツールです。

リスクマップを作ることで、漠然とした不安が具体的な課題へと変わり、どこに経営資源を集中させるべきか明確になります。

飲食店におけるリスクを洗い出す

まずは、店舗にどのようなリスクがあるかを洗い出すことから始めましょう。以下のような観点で、従業員全員で話し合う機会を設けてみてください。

  • お客様に関するリスク: 食中毒、アレルギー、お客様の転倒や怪我、クレーム、SNSでの炎上など。

  • 従業員に関するリスク: 労働災害、従業員間の人間関係トラブル、ハラスメント、労務問題など。

  • 運営に関するリスク: 食材の品質劣化、設備の故障(冷蔵庫、エアコンなど)、火災、食券機のトラブルなど。

  • 外部環境に関するリスク: 近隣のトラブル、災害(台風、地震など)、風評被害など。

ネクストアクション:リスクマップを作成する

リスクを洗い出したら、次のステップとしてリスクマップを作成します。これは、「発生する可能性(縦軸)」「発生した場合の影響度(横軸)」の2軸でリスクをマッピングするシンプルな方法です。

  • 【エリア1】(可能性低、影響度小): 軽微なリスク。日々の注意で十分対応可能です。

  • 【エリア2】(可能性低、影響度大): 発生頻度は低いものの、一度起きると致命的。例えば火災や大規模食中毒など。事前の準備が鍵となります。

  • 【エリア3】(可能性高、影響度小): 頻繁に発生する小さなリスク。転倒や軽微なクレームなど。これらを減らすことで日々の業務効率が上がります。

  • 【エリア4】(可能性高、影響度大): 最も優先して取り組むべきリスク。例えば、特定の食材によるアレルギー対応ミスや、従業員の労務トラブルなど。

このようにマッピングすることで、どのエリアのリスクから対策を講じるべきか一目瞭然です。 当社では、貴社に合ったリスクマップの作成をサポートしています。お困りの際はぜひご相談ください。

次回は、このリスクマップを基に、リスクに対してどのような戦略を立てるべきかについて詳しく解説します。

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