こんにちは。有限会社金城企画 代表取締役の荒瀧です。当社はまもなく創業50周年を迎えます。これまで多くの企業様とともに、リスクマネジメントの現場を支えてまいりました。
さて、飲食店の経営において、利益を圧迫する大きな要因の一つが「廃棄ロス(フードロス)」です。
せっかく仕入れた食材も、保管方法を誤れば品質が劣化し、お客様への提供ができなくなるばかりか、食中毒のリスクさえ孕んでしまいます。
今回は、仕入れから保管に至るプロセスで、いかに鮮度を保ち、損失を最小限に抑えるかという「守りの経営」についてお伝えします。
1. 仕入れ時の検品が「最初のリスクヘッジ」
食材のリスク管理は、店内に運び込まれる瞬間に始まります。
温度の確認: 冷蔵・冷凍品が適切な温度で配送されているか。
包装の状態: 袋の破損や、段ボールの汚れ(害虫の付着リスク)はないか。
消費期限のチェック: 納品された時点で、想定のサイクルで使い切れる期限があるか。
「いつもと同じ業者だから」と過信せず、入口で不良品を食い止めることが、その後の全工程の安全を担保します。
2. 保管の鉄則「先入れ先出し」と「定位置管理」
バックヤードや冷蔵庫内での管理不足は、そのまま利益の流出に直結します。
先入れ先出しの徹底: 新しいものを奥に、古いものを手前に。当たり前のことですが、忙しい時間帯にこれが乱れると、期限切れによる廃棄が発生します。
直接床に置かない: 衛生面および害虫対策として、食材は必ず棚やパレットの上に保管しましょう。
冷蔵庫の詰め込みすぎ防止: 収納率は7割以下が目安です。冷気の循環が悪くなると、庫内温度が上昇し、食材全体の劣化を招きます。
3. 「見える化」で廃棄ロスを削減する
どの食材が、いつ、なぜ廃棄されたのかを記録していますか?
廃棄ロスを減らすための第一歩は、現状を把握することです。
アクション:廃棄ログの作成
「日付・品目・理由(期限切れ、調理ミス、オーダーミス等)・金額」をメモするだけで、自店の弱点が見えてきます。
リスクマップ作成で「経営の穴」を塞ぐ
食材のロスや衛生管理の不備は、単なる損失に留まらず、ブランドイメージの失墜や営業停止という巨大なリスクに繋がります。
金城企画では、貴店の現状を分析し、どこにどのようなリスクが潜んでいるかを可視化する「リスクマップ作成」のお手伝いをしております。創業50年の知見を活かし、現場に即した改善策をご提案いたします。
金沢・野々市・白山市の飲食店様へ
ノロウイルス事故などの緊急事態に備え、当社では「超・緊急行動ガイド」を発行しております。事故後の初動から賠償対応、休業リスク対策まで、地元密着の金城企画が貴店を強力にサポートします!
次回予告
第22回は「情報セキュリティの基本 POSシステム、予約システム、顧客情報の保護」をお届けします。
食の安全だけでなく、お客様の大切な「情報」を守ることも、現代の飲食店には不可欠な責任です。
共に、100年続く店づくりを目指していきましょう。